バザールは広い体育館のような天井の高い構造になっています。中に鳥が飛んでいるのを見て、遠い昔に卒業した高校の体育館の中に鳩が住んでいて、朝礼の最中にぱたぱた飛んでいたのを思い出しました。アルマトイには黄色いくちばしのスズメより二回りくらい大きい鳥がたくさんいて、人を全然怖れずに歩道や店先にも降りてきます。
バザールの中は写真禁止なので、残念ながらお見せすることはできません。売り物の種類ごとに区画がわかれていて、買物しやすそうです。ドライフルーツの種類の多さには驚きます。カザフスタン南部はオアシス地帯で、果物の栽培が盛んなので、当然と言えば当然ですが。そしてアルマトイというのは「りんごの街」という意味なのです。
肉の区画では豚肉も売っています。イスラムの人が多い国ですが、キリスト教徒もいるので、豚肉を食べる人たちもいるのです。キムチや豆腐などを売っている朝鮮族の人もいます。
カザフスタンの特徴の一つは多様性でしょう。まだまだ単一性の強い日本から見れば、人の外見も服装も言葉も生活形態もじつに多様です。世界を見れば、ひとつの国の中に多様な民族がいることは分断を招くリスクとなる例が多いようですが、カザフスタンの人たちの様子からは「多様がどうした」という感じで、全然問題になっているようには見えません。もちろんそれまで何の問題もなさそうに見えていたのが、政治的な扇動であっというまに対立が激化する例も多いので油断はできませんが、ムスリムが多いということから受ける排他的なイメージからはほど遠い印象です。